春の花の切り花は、球根の花だったり、枝の花だったり、種類が豊富で生けるのが嬉しくなりますね!
今回は、お花初心者さんにもわかりやすいように、用語の説明とともに、一種類の春の花をバランスよく花瓶に飾る方法をお伝えいたします。
桜の切り花をバランスよく飾る方法
写真の桜は、道の駅で購入してきた山桜の切り花です。花屋さんでも、1本から購入できます。今年2021年は、お花見に行かずにおうちでお花見を楽しもう!という、今までにない発想で「おうちでお花見」が提案されました。桜をおうちで楽しむために、長く咲いてくれる方法をお伝えいたしましょう。
【桜】
科名:バラ科
属名:サクラ属
花期:3月-4月
出回り時期:1月-4月
桜を長持ちさせる切り方
茎の先を水切りする
水を張ったボールの中で、枝の先を斜めに水切りをしましょう。
茎の先の表皮を削り取る
鉛筆を数る要領で、水に浸かる茎の先の表皮を削り取ります。固い表皮を削り取ることによって、水揚げ(水を吸う事)を助けると言われています。
茎の先を割る
茎の先をはさみで縦に切り込みを入れます。切り込みを入れることを、お花用語で「割る」と言います。
茎の先を十字に割る
一度縦に割った茎を45度回して、もう一度縦に切り込みを入れます。十字に切り込みを入れる、十字に割る。この作業をすることで、茎の中に水が触れやすくなり、固い枝でも給水ができるようになると言われています。
桜のバランスの取り方
花瓶に活ける時は、まず枝の曲がり具合を確認しましょう。
一番曲がった枝を曲がったまま花器のへりに乗せるように挿します。曲がった茎は、曲った方向に素直に挿すとぐらつかないと思います。真っすぐな茎は最後に中心に挿しましょう。
チューリップのバランスのいい飾り方
1月になると花屋さんにはチューリップが並び始めます。なるべく蕾のものを購入すると、2週間ほど咲いてくれる強い花です。
【チューリップ】
科名:ユリ科
属名:チューリップ属
別名:ウッコンコウ(鬱金香)
花期:3月末-4月
出回り時期:12月-4月初め
チューリップの切り方
水を張ったボールの中で、枝の先を真っすぐに水切りをしましょう。チューリップの茎は斜めに切ると、自然に切り込みが入り、タコの脚のようにくるくる巻いてきます。問題はありませんが、ガラスの花器などで真っすぐな茎を見せたい場合は、斜めに切ることを避け真っすぐ水切りをしてみましょう。
チューリップのバランスの取り方
写真のチューリップは茎が比較的真っすぐですので、シンプルに束ねてそのまま花器に挿しました。
チューリップの茎があちこち向くときの生け方
花首があちこち向く場合は、桜と同じように、一番曲がった茎のチューリップから花器のへりに乗せるように挿していきましょう。曲がりに逆らわずに挿すことがポイントです。
曲がった茎を初めに挿し、比較的真っすぐな茎のチューリップを後から挿すと形が崩れずバラン良く飾れると思います。
チューリップを飾る時の注意点
チューリップは、暖房の効いた暖かい場所に飾ると、切り花なのに茎が伸びてびっくりするときがあります。。なるべく寒い場所の方が長く咲いてくれます。
茎が伸びてしまった時は、水に浸かっている部分を伸びた分だけ切れば問題ありません。お花が生き物だということが分かり、愛おしくなりますね。
オオデマリのバランスのいい活け方
4月から5月に咲くオオデマリ。
黄緑色に見えているのは、咲き始めの状態です。切り花として飾る時は、花が成長して大きく白くなる前の、花が黄緑の時に限ります。
その理由は、花が成長して白くなると花がパラパラと散ってしまうからです。
【オオデマリ】
科名:スイカズラ科
属名:ガマズミ属
別名:てまりばな
花期:5月-6月
出回り時期:4月-6月
オオデマリの長持ちする切り方
茎の先を水切りする
水を張ったボールの中で、枝の先を斜めに水切りをしましょう。
茎の先の表皮を削り取る
鉛筆を数る要領で、水に浸かる茎の先の表皮を削り取ります。固い表皮を削り取ることによって、水揚げ(水を吸う事)を助けると言われています。
茎の先を割る
桜と同じように、茎の先をはさみで縦に切り込みを入れます。切り込みを入れることを、お花用語で「割る」と言います。
茎の先を十字に割る
一度縦に割った茎を45度回して、もう一度縦に切り込みを入れます。十字に切り込みを入れる、十字に割る。この作業をすることで、茎の中に水が触れやすくなり、固い枝でも給水ができるようになると言われています。
オオデマリのバランスの取り方
オオデマリも桜やチューリップと同じように、枝の曲がりをよく見て、曲がった茎から挿していきましょう。ポイントは曲がりに逆らわず、花器のへりに曲がったところが来るように挿し、比較的真っすぐな茎を最後に挿しましょう。
最初に入れた曲がった茎が花止めの役割を果たし、真っすぐな茎を支えて、全体のバランスをとってくれると思います。
クレマチスのバランスのいい飾り方
近年、クレマチスは輸入や国産の切り花として流通するようになりました。庭で育てるこのことも人気の植物ですが、切り花としても品の良さと長く持つ花として人気です。
クレマチスに限っては、水が上がると、開花が進み蕾も咲き、時間が経つほど魅力が増すと言っても過言ではない素敵な花だと思っています。
小さなつぼみまで咲き、1~2週間は咲いてくれる長持ちする花です。
科名:キンポウゲ科
属名:クレマチス属
別名:テッセン
花期:5月-8月
出回り時期:輸入:通年 、国産:4月頃-9月頃
クレマチスを長持ちさせる切り方
茎の先を水切りする
水を張ったボールの水の中で茎の先を斜めに切ります。
茎の表皮を削る
クレマチスの茎はとも細いので、鉛筆の芯を削る時のようにそっと削りましょう。表皮がないことで水揚げを助けると言われています。
茎の先を割る
クレマチスの茎はとても細いですが、茎の先を縦に切り込みを入れます。
昔(20年ほど前?)は、水揚げが良くないとされていましたが、上記の処理と品種改良、水揚げ促進剤などの処理によって、とても長く咲く花の一つに数えられるようになりました。
クレマチスのバランスの取り方
クレマチスの茎は細く、しなだれる場合もありますので、数本を束ね、背の高い花器と等倍くらい(上に出ている部分)の長さで切りそろえて挿すと安定します。
1本のクレマチスを飾りたい場合は、茎の真っすぐなものを選んで、口の狭い瓶や花器に活けると安定します。
花器の高さの等倍(上に出ている部分)にすると、バランスよく飾れると思います。
おわりに
春の花の切り方や飾り方が伝わりましたでしょうか。
桜やオオデマリ以外の枝の花も、同じように表皮を削ったり、割ったりすると長く咲いてくれると思います。
チューリップなどの球根の花はもともと長く咲く花ですので、初心者さんにも花のある暮らしを楽しんでいただけると思います。この春はまずは1本飾ることからはじめてみてくださいね。
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