コラム

イギリス花留学レポート|バースのフラワスクールで学んだレッスンと文化の違い

はじめに

今回の報告はイギリス花留学について。舞台は世界遺産の街バースにあるフラワースクールです。
私が毎年イギリスに来ている理由がは、以下のことを理解したいと思っているからです。

・イギリスでのフラワーアレンジメントの教え方
・流行している花やデザインの傾向
・現地の生徒がレッスンに求めていること
・日本とイギリスの生活文化の違い

この記事では、実際にレッスンを受講した体験を交えながら、そこで気づいたことをまとめます。

イギリス・バースでのフラワースクールでレッスン体験

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ファーストネームで呼び合う文化

指導してくださったのは「タルーラローズ」のレイチェル先生
イギリスでは先生や目上の方もファーストネームで呼ぶのが一般的で、私も「レイチェル」と呼んでいました。日本人としては最初少し戸惑いましたが、すぐに慣れて距離がぐっと縮まった感覚があります。

自己紹介と通訳サポート 

初日は自己紹介から始まりましたが、英語がうまく通じず苦労しました。幸い、スタッフの中に日本人の方がいて、最初の2日間は講義で通訳に入っていただけたので安心して学ぶことができました。滞在後半には耳が慣れてきて、やはり数週間以上の滞在で学ぶ効果は大きいと感じました。

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多国籍クラスでの交流

クラスはイギリス人、アイルランド人、オーストラリア人、日本人の私が参加。
オーストラリアの方の英語は聞き取りやすく、イギリス人の早口で多様なアクセントに苦戦しました。 

面白いことに、オーストラリアの生徒さんが、私の英語をイギリス人に、イギリス人の英語を私に「英語で通訳」してくれる場面もありました。言葉を超えた助け合いは忘れられない経験です。

イギリスのフラワーレッスンの特徴

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感性重視のイギリススタイルと基本重視の日本スタイル

イギリスのレッスンは、先生から大まかなデザインが示され、生徒が自分の感性で仕上げるスタイル
初心者ははじめは戸惑いますが、慣れるに連れて自分の感覚でアレンジされています。

一方、日本のレッスンは基礎の反復を重視しています。形を正確に作れるようになったうえで応用に進むスタイルです。

どちらも良し悪しではなく、教育文化の違いが反映されています。

フラワービジネスコース

イギリスで言う「フラワービジネスコース」は1ヶ月間・週5回10:00~16:00 もしくは 2週間・週5回10:00~16:00で行われます。フラワーアレンジスキルとフラワービジネススキルを学びます。

アレンジ技術に加えて、仕入れや原価計算、写真撮影やSNS活用など、花を仕事にするための実務スキルも学べます。

費用は、1か月コースで日本の専門学校に1年通うのと同程度。花を職業にしたい人に向けた実践的な内容です。

印象に残った作品と文化の違い

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グラデーションカラーアレンジ
グラデーションを活かした、色違いのデルフィニウムだけを使ったワンアイテムアレンジ。
コーンシェイプの形で印象的な色を生かすシンプルなフォルムに製作しました。

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葬儀用フラワーアレンジ
葬儀用の花は日本と大きく異なります。
写真の大きなフラワーアレンジメントは、お葬式の時、棺おけの上に飾るアレンジです。
日本では白基調が多いですが、イギリスではカラフルな花合わせが一般的。故人を華やかに送り出す文化が表れていました。

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私も棺に見立てたアンティークドアに花を飾り、ナチュラルな雰囲気でアレンジしました。
生活文化を知るということが重要だということが良くわかります。

お葬式に対する、日本のような「しきたり」は感じられませんでした。
近年日本もお葬式のお花は多様化していて、故人のお好きな花で見送ることが増えてきました。
赤い薔薇で飾った祭壇のお話を生徒さんがされていました。

日本でも、レッスンで習得するデザイン技術は、冠婚葬祭で使える技術であるべきだと強く思いました。

フレッシュフラワーリースとインテリア

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日本でも人気のフレッシュフラワーリースも制作しました
くすみカラーの色彩の花やグリーンが多く、印象的なリースができました。

 教室のインテリアは北欧の家具にアンティークを組み合わせたシャビーシックで、花との相性が良く素敵でした。。

まとめ|イギリス花留学で得た事

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 写真:レイチェル(右)と生徒さんたち。

イギリスの花留学で私が得たことをご紹介します。

  • イギリスのレッスンは感性と自主性を重視

  • 日本の基礎重視のスタイルとの違いを実感

  • 花文化や教育の違いを知ることで作品への理解が深まる

  • 多国籍の仲間との交流が英語力と視野の広がりにつながる

イギリス花留学は、単なる技術習得にとどまらず、文化・教育・価値観の違いを体験できる貴重な学びの場でした。

この経験を得て、日本でのレッスンやカリキュラムは、日本の技術の継承と伝承という文化を生かしながら、イギリスのナチュラルなデザインを取り入れていく方向を決めることができました。

これからも、これらの経験を花仕事に活かしていきたいと思います。

 関連記事:【保存版』イギリス花留学と日本のフラワーアレンジメントの違いとは?文化・教育・仕事観の比較


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