コラム

アトリエフィーズ誕生秘話~アトリエの前身・雑貨デザイナーになる

私がアトリエフィーズをオープンしてから2017年で21年目を迎えました。
この話は25年も近く前のことなのであなたの参考になるかわかりませんが、きっと起業することに関しては普遍的なものがあると思うので、書いてみたいと思います。

私の夢は叶わなかった

学生時代から普通に就職するのではなく、将来なんらかの形で自分で仕事をしたいと考えていました。
画家としてアトリエを開きたいというひそかな願望がありましたが、自分にはその力がないことを悟り、結局OLとして大手企業に就職しました。

画家として芸術家になることはあきらめたものの、ものづくりはあきらめきれずに服飾デザインを勉強しました。
OLを辞めてファッションデザイナーになったけれど、それを仕事にしてみたらそれも自分に向いていない。
量産できるものを作ることではなく、オートクチュールをつくりたかったことに気がついてしまいました。
また、その仕事の細かさを一生の仕事にではできそうにないと、結局続けることを断念しました。

私のものを作ることへの情熱は不完全燃焼のまま、結婚することにしました。
たぶん、夢がかなわない自分に嫌気が差していたのと、
新しい環境で自分のできることを試したいという思いがあったので結婚に踏み切ったのでした。

6歳年上の彼は、私が「結婚しても勉強もしたいし起業もしたいし子供育てもしたい」と言うと、
「面白いね。僕が応援してあげるから」という言葉が後押ししてくれたんだと思います。

チャンスは突然やってくる

(写真:雑貨屋さんへ卸していた手作りのテディベア)

上の娘が4歳、下の娘が2歳で、その時の環境は社宅住まい。
普通に子育てと主婦をしながら大好きな手作り生活を満喫していました。

ある日、妹の友人がオープンした素敵な雑貨屋さんを訪れたときのこと。
妹に薦められるまま、私が作った雑貨を持っていったのです。プロに見てもらって感想を聞いてみたい気持ちがありました。

お目にかかって、雑貨をデザインすることや作ることが大好きなこと、そして将来自分が作った雑貨を売ってみたいということを話したのだと思います。思い返せば、たぶん、一生懸命自分の夢を語っていたんでしょうね。
話を聞いてくれたオーナーが一言 「あなたを雑貨デザイナーとして採用するから、うちで仕事をしてみない?」と言ってくださったのです。

すぐに仕事になるなんて思っていませんでしたし、だいたい面接に行ったわけではなかったので正直面食らいました。
「すみません、私面接に来たわけではないんです。下の子がまだ2歳ですし…」と正直に言うと
「何言ってるの。やってみたらいいじゃない!今度来るときまでに何点か持ってきてなさいね」
「そうですか…。わかりました。」

私はまだ半信半疑で、次回の作品をみてやっぱり断られるかもしれないし、
でもせっかくのチャンスだからやってみようと思ったのでした。

絶対仕事にすると覚悟を決める

さてどうしたものか。 頭の中でめまぐるしく現在のことと将来のことを考えました。
自分の可能性とリスク。それを整理してみると

可能性について

  1. 自分がデザイン・製作したものが店頭に並ぶ。プロへの仲間入りができる。
  2. 将来自分で雑貨店を開く時の勉強ができる。
  3. 現場から仕入れや販売のノウハウが学べる

リスクについて

  1. 子供が熱を出したときなどの対応をどうするのか
  2. 家事と育児とデザイン・制作活動は両立できるのか

考え抜いた結果、家事と育児とデザイン・制作活動は私なら両立できると思えました。 もし子供たちが病気になった場合でも制作活動は自宅でできる。 決められた時間にする仕事ではないので切り抜けられると判断したのです。

家事も育児も好きだし、その上デザイン製作の仕事ができる! 叶わなかったと思っていた夢見ていたことが、目の前に突然現れたのです。チャンスは一度だけ。やると決めました。

今ならわかる。やってみなさいと薦められることの意味


現在の私は株式会社アトリエフィーズを経営し、一般社団法人フラワーワークスジャパンの代表理事として法人を運営しています。
その立場から、私が人に対して「やってみたらは?」という時、
「その人ならきっとやるだろうな」と思える何かを、その人が持っていると思う時に声をかけます。直感です。

慎重さやつつましさ、礼儀正しさやまじめさや負けず嫌いの精神。
それは決してマイナスなことではなく、仕事を長く続けるために必要なことだと思います。

これらをはじめから持っている人は必ず成功すると思っています。
技術は続けていけば身につきます。自信も続けていく中で身についていきます。 あとはやるかやらないか決めるだけ。それはあなた自身が決めること。
「やってみたらは?」と声をかけられたら、可能性を信じて前に進んでみましょうね!

まとめ

チャンスは突然やってくる。その時が来たときのことをイメージして準備しよう!
「やってみたらは?」と目上の人に言われたら、大きなチャンスだと思って前に進むこと!


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